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活動報告

例会レポート

  • 政経倶楽部第34回例会レポート  平成19年10月5日(金)於・ルポール麹町
代表幹事挨拶・寒竹郁夫氏 (デンタルサポート株式会社代表取締役)

 会員の田中さんに紹介してもらった『官邸崩壊』(上杉隆著)がおもしろい。安倍さんが政権を投げ出す1週間前に出版された本だ。安倍さんは優秀な政治家で、またスタッフも優秀だったが、人間味に欠けており、組織として脆弱であったために政権を維持することはできなかった、ということが書かれている。 翻って、この会の理念は、政権交代可能な政治システムを作ることにあるが、やはり人間力をいかに高めるかが大切で、それを一つにまとめて、結果を出すことが肝要だ。いい日本を作り出すことにおいて、原理原則、思想哲学を、経営者も政治家も学んでいないと、安倍政権のようなことになってしまう。 来年から、会の事業として、政治家天命塾という政治家養成講座を始める。また、今日の講師、ジャーナリストの岩上安身氏の協力を得て、出版第二弾も企画している。

国政報告・松井孝治氏(参議院議員)
最近の政治の動向と官僚システムについて

行革的視点から見た場合の「小泉」改革の功罪
 政と官、両方に身をおいた私としては、政官業のトライアングルの破壊は、ライフワークといえる。小泉さんは、その政と業の一辺に楔を打ち込んだ。 政官業のトライアングルは、グーチョキパーの関係だ。政治は官僚に対して強く、官僚は業界に対して強く、業界は政治に対して強い。業界が政治に対して強いのは、集票および集金マシーンにつながるからだ。その象徴が、郵便局と道路で、小泉さんが、郵政民営化と道路公団改革を選んだことは正しかったといえる。 日本の意思決定のしくみは、事務次官会議、閣議、総務会、すべて全体一致主義で、これが日本の政治行政の閉塞感を生んでいる。大きな政治判断をスピーディに行うことを日本の政治から奪い続けてきたのは、この全員一致主義とすべての案件をボトムアップで決めていくやり方にある。これを変えようとしたのが、橋本行革の官邸機能強化であり、使いこなしたのが小泉政権だ。竹中平蔵氏を用い、経済財政諮問会議を使って成し遂げた意味において業績はある。 しかし、道路公団の民営化は、誰もほんとうの民営化だとは思っていない。郵政民営化もどうなるかわからない。小泉さんの打った政業への楔は深いものではない。また、政官と官業の二辺は堅持されたままだ。改革は表層に過ぎず、不徹底だった。

「安倍」政権の功罪
 私は安倍さんのやろうとしたことには共感はある。安倍さんは、政と官に楔を打つ、ということをやりたかった。そこで、チーム安倍を作り、首相補佐官を大量投入し、また、官邸職員を公募しようとしたり、公務員制度改革に着手した。当初の数十日のアジェンダ設定(課題設定)で、何をどういうふうにやるか、どういう会議を作るか、まではよかったが、あとが続かなかった。着眼点はよかったが、それを運営するにあたってアマチュア的手法で、結果、投げ出してしまった。 安倍さんは、閣僚経験は官房長官しかなかった。官邸は省庁とは違う。大勢の部下を束ねる官僚経験がない人が総理をやったわけだ。官邸には、各省庁から優秀な人が集まっているが、いかに官邸で意思決定させないかというのが、日本の内閣制度の一つの特徴だ。塩崎さんも初入閣で官房長官だった。彼は、各省庁割拠主義を改めていく気持ちが強く、アメリカ仕込でホワイトハウスモデルで、霞ヶ関に不信感が先行していた。しかし、行政組織として彼らを使っていかなければならないときに、このアマチュア的手法は、霞ヶ関との関係を作れなかった。人間力が足りなかったといえる。官邸主導を試みながらも空回りし、最終的には危機管理もできなかったし、総理自身が相談できる人が官邸にいなかった。

福田政権の特徴
 国会が始まったばかりでまだわからないが、福田政権の印象は、低姿勢で、手堅い。「生活者・消費者重視」、「自立と共生」、「温もりある政治」など、民主党のようなことを言っている。また「対話しましょう」とクリンチ路線をとっている。これは民主党には手ごわく、攻めにくい。我々は、非常にむずかしい舵取りを迫られているのが今の状況だ。...

講演 岩上安身氏(ジャーナリスト)
『少子高齢化問題と政権交代』

 人口問題関連について考え始めてかれこれ10年になる。国の出している人口統計、人口推計などはこれをもとに年金の指標になるのだが、この数値は当たったことがない。毎年のように悲観的な数値の方に下方修正を繰り返している。年金問題は国民の最大関心事であり、官僚の腐敗や不手際、ミスの問題もあるが、根本の、高齢化で人口減少の問題を抜きには語れない。

人口問題の基礎知識
 日本の人口は、2004年の1億2779万人をピークに下り坂に入った。今後、非常に急角度で降下していく。今後、30年から50年の間に関東一都六県の人口に相当する約4000万人の人口が失われる。戦時中に比べても圧倒的にひどい。戦時中の人口減少は、140万人で、これは総人口の2%だった。戦時中は、多くの人が亡くなったが、生まれる人も多かったわけだ。減る分は、若い人が生まれてこないことによって生じている。毎年、労働力人口が70万人減っている。現在総人口のうち、65歳以上が20%を占めており、5人に1人が老人だ。これは先進37カ国中、最悪の数字だ。2050年にはこの数字が40%を超えると思われる。老人も、65歳以上の前期高齢者ヤングオールドと、75歳以上の後期高齢者オールドオールドに分けられる。この比率が、現在は、後期高齢者は4割だが、長寿によってどんどん増えており、10年から30年先には、6割を占める。つまり、全人口の半分が年寄りで、そのうちの6割が後期高齢者となる。3人に1人が80歳90歳ということだ。これらは、社会保険庁の外郭団体の社人研が出している数字であり、ここが出す数字はいい加減なことが多いが、それでもこれだけの悲惨的な予想値になる。 さらに財政赤字がひどい。社会保障費は、70年代に7兆2600万円くらいであったのが、ものすごい勢いで増えており、2025年には140兆円くらいになる。それをどうやって支えるのかという課題がある。地道に、人口構造のバランスを取り戻さなければならない。恒常的に、継続できる社会のためには、人間の再生産は常に行われていなければならないのに、日本は失敗してしまっているということだ。

暗い未来のシナリオ
 設備、雇用、債務の3つの過剰に対して手をこまねいていると、これらへの過剰なストレスを一気に清算してしまえという誘惑が、日本国内に嫌な空気として高まってくるのではないか、という予感を抱いている。 設備の過剰とは、人口が減ってくれば需要がなくなるので、莫大な投資をしてきた様々なインフラが無駄になり、清算しなければならない。また、ビルやコンクリート建築物も、老朽化などにより建て替えが必要となり、コスト負担が大きくなってくる。雇用の過剰とは、生産性の低い人はリストラしてしまえということで、高齢者は当然入ってくる。債務の過剰は、借金は返せないよ、という話だ。現在、日本の国債費の発行額はGDP比160%だ。乱発していた戦時中は140%だった。戦後、6年間で1万2000%もの高いインフレ率でチャラにした。 人と財政の問題を一挙に解決する方法が、非人道的なこのハイパーインフレだ。ソ連崩壊後のロシアも実行した方法だ。これは、人間観、家族観を含めて、相互的な信頼関係がぼろぼろになり、子どもが産まれるどころではない。 日本の少子高齢化は、危機的な勢いで進みつつある。高齢化というのは、社会の中のお年寄りが何人いるか、という比率の話なので、若い人がどんどん増えれば高齢化の比率は低くなる。日本の場合は、寿命が延びて高齢者が増えているということもあるが、それを支える若年人口の数が減ってしまっていることにこそ問題がある。

政治、企業がすべきこと
 日本は、社会保障費の支出が大きいが、その大半が高齢者に向かっている。児童、家族向け予算は3%強に過ぎない。フランスは10%くらいある。少子化で悩んでいるのは先進国共通だが、フランスは出生率が2.0まで回復した。これは、老、壮、青のバランスがよく、恒常的に社会が続いていくということを意味する。最近、フランス人は明るくて元気だと実感する。 企業にもやれることはある。...

そのほか

挨拶・林英臣氏(人間学経営所長)

 少子高齢化問題は、総合力で解決していくしかなく、総合力で改革していくときには、政治力として、全体を統括する監督が必要だということを感じた。 今日は皆さんの熱心に学ぶ姿を拝見した。政経倶楽部は、このような、学び、また出版で、伝えること、さらに人を育てる、という3つのことをやっている。ほとんどの会は勉強会で終わっている。3つやっている会は他にはほとんどない。この会の顧問に就任させていただいたことを心からうれしく思う。

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