政経倶楽部第51回例会

日時:2009年3月5日  開会:~ (開場:)
会場:ホテルグリーンタワー幕張 千葉市美浜区ひび野2-10-3 TEL 043-296-1122 JR海浜幕張駅徒歩3分
 

代表幹事挨拶 寒竹郁夫氏(デンタルサポート株式会社代表取締役)

 政経倶楽部が昨年出版した『真・日本再生』の中で私が書いた小論文のタイトルは「政治家と中小企業経営者が本気で交わり日本再生を」。このタイトルそのものがこの会の主旨だ。戦後60年、経営者は政治のことなどわからずに経営のことだけやっていればいい、という間違った考え方だった。それはまったく逆である。経営者こそ、政治を語り、参加し、主張を、政治家を通して国や県に伝えなければいけない時代がくる。当会は今年6月で発足6年になる。現在50名の会員で運営している。 きょうのテーマは「千葉から日本再生」。千葉は日本の縮図だ。郊外、都市部があり、漁業、農業、商業がほどよく発達したまさに日本の縮図。千葉を再生すれば日本も再生できる。副題は「たいらの宝さがし」。千葉には宝がたくさんある。銚子は漁獲高日本一、米もおいしい、幕張メッセや東葛テクノプラザなど、ものすごい宝がたくさんある。それらを日本国中にアピールして戦略的に活性化していく。吉田平はそれをめざしている。

国政報告 野田佳彦氏(衆議院議員)

 政経倶楽部は、様々な業種の中小企業経営者が集まり、自由闊達な議論を交わしていて、私にとってはブレーンのような存在だ。私も毎月出席している。 師匠の松下幸之助氏は、「政治とはガバメント(統治)ではなくてマネジメント(経営)。地方自治は地域の経営、国政とは国家の経営だ。」と言った。  中小企業の経営者も、提言だけでなく、そろそろ行動すべきなのだと思う。地域や国をマネジメントする人が出てきてほしいと思っていたところに、堂本知事に見込まれて吉田平さんが知事選挙に出馬を決意した。画期的なことだ。同志、友人として、全力で応援していくつもりだ。 おわびしたいのは、民主党代表の秘書が逮捕という事態だ。みなさまにはご心配とご迷惑をおかけしている。しかし、民主党はピンチになったとき、結束して結果を残してきた。メール問題のときは千葉七区の補欠選挙で一丸となって勝利を得た。一昨年の大連立騒動の後、支持率低下を危惧したが、直後の大阪の市長選挙で勝てた。こういうことを乗り越えていかないと政権交代はできない。その意味からも、今回の千葉県知事選で私たちは、吉田さんから言われたことはなんでもやるつもりで戦う。千葉から日本を変える、そのスタートを切りたい。千葉から反転攻勢の機会を作っていきたい。 今、政治に必要なのは、マネジメントの力と人の道だ。吉田さんはずっと倫理の勉強をしてきた。いいこと、わるいことがわかっている人がきちんと責任ある仕事をする王道の政治というのは、人の道を踏まえた基本姿勢から始まる。吉田さんは、志がある、戦略性のある、人の道がわかる、経営感覚を持った素晴らしい知事候補だ。皆で力を合わせて49歳の新しい知事をつくろう。

講演 吉田たいら氏

 政経倶楽部がひとつのきかっけとなり、外から発信していた人間が、いつのまにか自らチャレンジをすることになったことをきょうは皆さんに知っていただきたい。『真・日本再生』で私は、「経済合理性を超える、公の復権を」という表題で次のようなことを書いている。
 「率直に言って、いすみに来たはじめの頃は、赤字路線の再建ですから経済性だけを考えていました。しかし現地に来てやっているうちにわかったのは、この鉄道事業は政治と同じ、地域再生事業だということです。全体の公のために、どう再建し、波及させるか、その戦略戦術がポイントです。場合によっては、全体の公のため、近隣住民の反対を押し切ってでもやらねばならない決断も、あるかもしれません。政経倶楽部も、そういう勉強ができるところであってほしいと思っています。こういう経済合理性より大切なものがあることを、多くの経営者は発信しません。なぜなら、損になるからです。しかし、私は、むしろ影響力の大きい、一流の経済人にこそ、発信してほしい。経営者が変われば、世の中が変わり、政治も変わると思っています。」  この本の出版は平成20年11月23日だった。「経営者が変われば政治が変わると思っています」と発信していたところ、1月15日知事公舎で"事件"が勃発。堂本知事から「いすみ鉄道も大事だけれども、私自身が8年間、魂をかけてやってきた知事職という610万人の県民すべての命を預かりやる仕事はほんとうに素晴らしい仕事ですよ。是非やってみてください」と真剣に迫られ、「はい、やらせていただきます」とその一言を発してこの壇上に立っている。  千葉県安房郡千倉町で生まれ、小中高を千葉で過ごし、大学は仙台に行き、東京で12年サラリーマン勤めをし、35歳で父の会社(バス、タクシー事業)を手伝いはじめ14年。昨年4月からいすみ鉄道にチャレンジをし、この1月15日に知事選へのチャレンジを決意した次第だ。
 365日24時間610万人の県民の命とその生活を守り、「ほんとうに住みたくなる千葉」にするべく、全身全霊を持ってチャレンジする決意をした。その職を、一生の中の一瞬一瞬を、明るく楽しく皆さんと一緒にやっていきたい。  私自身もひとりの人間だ。今回の選挙にあたり毎日、いろいろなことが起こっている。心も揺れる。そんなとき、いすみ鉄道で、大多喜高校の高校生ひとりひとりに挨拶をしたときのことを思い出す。いろいろな推薦やいろいろなことが今まで起こってきた。すべては、最後は、千葉県民ひとりひとりの皆さんのために「ほんとうに住みたくなる千葉」を実現するために、自分自身の全ての力、命、その志によって、戦っていきたい。  緊急の対策として「たいらの大胆政策5」も掲げた。里山保全のために鬼泪山(きなだやま)の山砂の採取禁止にも取り組む。これは私の命にかかわるような事案かもしれないが、今までできなかったことにも経営者として決断し、みなさんといっしょにやっていきたい。  民間の経営感覚を持ちながら、やるべきことはやる、やらないことはやらない。選挙戦はまさしくこのことを真正面から伝える最大の機会だ。これまでの常識にとらわれず、皆さんひとりひとりの感覚を大事にしながら、決断、実践、実行していきたい。

講演 堂本暁子氏(千葉県知事)

 1月15日に私が「知事選に出てください」と話をしたところから吉田平さんはスタートされた。今、ここで私が皆様にお会いできるのも、平さんが決心してくれたからだ。  平さんも私もスキャンダルがない。だから正面から誹謗中傷を受ける。県の常任委員会では、「知事としていすみ鉄道の社長を引き抜いて候補にするということは合理的ではない」ということを言われた。昨日は平さんが参考人として呼ばれ同じ質問を受けた。平さんは正しい見方で立派な対応をされていたと県職員から聞き、安心した。いすみ鉄道は、千葉県と沿線自治体で協議して、今後どうしていくかという体制をとっている。その四者協議会で今後のいすみ鉄道については決めていく。  平さん本人が一番気にしていたのは、いすみ鉄道のことだ。325人の公募から選ばれて社長となり、2年の任期半ばで投げ出す形になり無責任でありたくないとずいぶん悩んでいた。そこを乗り越えた。地域住民に聞き、従業員に聞き、家族、先祖に報告し、そのプロセスを経ることで心の整理をつけられた。平さんが立派なのは、決心されてからは二度とそのことは言わないことだ。
 平さんのお父様は私が知事になって以来の後援会のメンバーだった。そのご縁もあり、1月15日はお父様と平さんに知事公舎にいらしていただいた。  「千葉を救うため、ほんとうに千葉のことを考える人に知事になってほしい」と申し上げたが、お父様から謙虚にネガティブなお答えしかいただけなかった。そのとき、私は自分が政治家になる決心したときのことをお話した。
TBSディレクター時代、ベビーホテルのキャンペーンで、法律改正のため国会を駆けずり回っていた私に、多数の党から出馬の誘いがあった。参議院選挙があるたびに声がかかり断り続けた。9年後、社会党の土井たか子党首から誘いがあり、6ヶ月断っていたが最後に要請に答えた。出馬を決意してからも後悔するなど、平さんとは違って私はまったく潔くなかった。当選後10日目に国連から人権侵害の調査団で派遣されていたイギリス人、マクダーモット氏がやってきた。マクミラン内閣の官房長官と大蔵大臣をした人物だ。彼はにこにこしながら「あなたは私のように公のために深く人生を歩まれることになりましたね」と言った。「40歳で出馬を要請され政治家になった瞬間から、自分の人生はイギリス国民のための人生に変わった。公のための人生を生きるチャンスというのはそう大勢の人が得られるものではない。そしてその人生はほんとうに素晴らしい人生だ」との彼の言葉に私はそれまでの自分を恥じた。  日本人は政治を馬鹿にしている。政治家を馬鹿にする国には政治家は育たない。二度と私は政治を馬鹿にすることはやめよう、国会議員として日本国民のことだけ考えよう、と決心した。千葉県知事となってからは、自分のすべてを千葉県民にささげよう、と実行してきた。公の仕事をすることの幸せも一方にある。それは、ある種、宿命だ。「公の人生を歩むことは、その人の天命であり、宿命だ」とそのくらいまで言ったとき、ずっと黙っていた平さんが、顔をあげて「はい、やらせていただきます」と静かに言った。
 吉田平さんは、本質的に公のことのために生きたいという素質を持っている人だ。今日『真・日本再生』を読み、改めてそう思いを強くした。そういう資質を持った人に、運よく私は出会えた。自分が政治家を決心したときと同じような誘いを、吉田平さんのような方にできて、そして受けていただいて、こんな幸せなことはない。私は4年間、後継者を探していた。平さんは政治家としてほんものだと思う。自分の名誉でもなく、いろいろな利権構造に押されて出るのでもない。まったく純粋に公のために、自分の身を賭して働こうとしている候補だ。  今、暗黒の時代、混迷の時代だ。世界のいたるところでヒーロー、英雄の出現が待たれている。アメリカではオバマさんが出た。日本でもそういったヒーローが求められている。ヒーローとは、リーダー性がある、アイデアがある、そして経営能力がある人だ。その3点を兼ね備えているのが吉田平さんだ。

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