政経倶楽部第42回例会

日時:2008年6月24日  開会:~ (開場:)
会場:ルポール麹町 東京都千代田区平河町2-4-3 TEL03-3265-5365 有楽町線「麹町駅」 1番出口より徒歩3分. 有楽町線・半蔵門線 「永田町駅」 5番出口より徒歩5分.
 

代表幹事挨拶・寒竹郁夫氏 (デンタルサポート株式会社代表取締役)

 本日は、国会議員11名、地方議員を含めると17名参加いただいている。お手元の政経倶楽部の資料の基本方針を読ませていただく。「政経倶楽部では、基本理念を日本再生におき、政権交代を基本戦略としています。国の政治経済システムを正常化させるためには、民意の反映できる一党に偏らないバランスのとれた権力への移行が必要不可欠であると考えております。」
 今日の講師、森田実先生の近著『脱アメリカで日本は必ず蘇るーアメリカの終焉と日本経済再生への道』は非常にわかりやすく書かれた本だ。わが意を得たりと読んだ。政経倶楽部の理念ともぴったりだ。その中に、日本再生の基本戦略が3つ(脱アメリカ、政権交代、地方の再生)書かれている。2008年の政治課題は政権交代であり政権交代がなぜ必要か書かれているので、読みあげさせていただく。「政権交代は、日本の再生のための最も大切な基本戦略である。今、日本を歪め、日本国民に苦難をもたらせているのは、ブッシュ政権に従属している自民党と公明党の連立内閣であり、中央集権の手先と化したマスコミである。この政・官・財・マスコミの四者が癒着し、長期政権を維持してきたことから、数々の腐敗と退廃を発生した」。私もその通りだと思った。

講演 野田佳彦衆議院議員 『政権交代に向けて』

 昨年1年間の世相を漢字一文字で表すと1位が「偽」で3位が「嘘」だった。正月のある新聞でエッセイスト岸本葉子さんが「偽、嘘というのは良い悪いがわかって発生することであり、良い悪いがわからなくなっている今の日本は劣化しているのではないか」という問題意識を披露していた。この「劣化」という言葉を私は今年3回聞いた。千葉大学の教育学部長の話によると、かつて花形だった首都圏の国立の教育大学の倍率は現在2倍を切りそうだという。子どもたちが教師をめざそうとしても親が反対する。教師になろうとする層が薄くなっておりこれは「劣化だ」と教育学部長は言われた。劣化と言えば、例の居酒屋タクシー問題だ。これはまさに霞ヶ関の劣化だ。

 権力の中枢まで劣化していることによっていろいろな問題が起きている。その一つが、国の資源配分がおかしくなってきていることだ。通常国会の冒頭で大田弘子経済財政担当大臣は、もはや日本経済は一流でない、と言い切った。10年間で新しい借金を300兆円作っておいてなぜ経済を二流にしたのか。資源配分を間違えたからだ。資源配分の最大の過ちがねじれのおかげで今国会で明らかになった。国家公務員2万6000人が天下っている4700の法人に年間12兆6000億円のお金が流れている。政権交代というのは、劣化している日本を建て直しするために、資源配分を変えること、お金の使い方を変えることだ。今、まさにやらねばならぬことだ。政権交代をめざして全力で戦っていく。

講演 森田実氏(政治評論家) 『これからの日本政治を考える』

 私は今、活動の重点を「日本の大マスコミの批判」においている。 日本のマスコミの特徴の一つは、巨大新聞社と巨大テレビ局が一体で、主要なメディアが皆同じ報道をすることだ。これは独禁法違反になる。先進国では、メディアの統合は問題あるとされている。マスコミは巨大な影響力を持つ。それなりに見識を持っていればまだいいが、3年前の小泉選挙のときは皆、小泉の手先になってしまった。私はあれで堪忍袋の緒が切れた。現在は大手新聞、テレビの仕事はしていないので、公然と批判できる立場にある。一つの方法として、インターネットで日本の情報を海外に発信している。日本のメディアはほとんどこれをしていない。おかげで最近、海外から私への取材が多くなった。アメリカの出版社から6月末に本も出る。内容は、アメリカ中毒を治療するというようなものだ。秋には渡米もする。「日本を蹂躙するようなことはやめろ、日本を尊重しろ」ということを誰かが言わねばならないので私がする。

 荘子の言葉に「井の中の蛙大海を知らず」というのがある。今の日本の学者はアメリカにしか留学していない。アメリカには歴史学、総合科学、社会科学がない。哲学、文学も弱い。日本人がヨーロッパから学んでいた時代は哲学や文学が主流だったが、今の日本の学者は総合的判断能力が欠如している。果たして真のインテリがいるのかというさみしい状況になっている。日本の学者は怠け者が多くなった。夜寝ている。勉強するということは夜寝ないこと。徹底的に勉強するとはそういうことだ。私は長年4時間睡眠でやっている。

 最近のマスコミの動きで一番懸念することは、アメリカと中国が2003年から2004年にかけて手を結び、完全にアジアのことは米中でやっていくという方向を作ってからも、日本のメディアはそれを認めないことだ。「東北工程」という言葉がある。これは中国共産党の一つの決定で、朝鮮民族は中国民族の少数民族の一つであるという決定だ。これに対して韓国は微妙に怒ったが、北朝鮮は怒らなかった。それは、食糧供給など北朝鮮の金正日体制は中国が支えるということがセットになっているからだ。ワシントンはそういうふうに見ている。しかし、日本のマスコミにそういう情報はまったく出てこない。そういう流れの中で、アメリカは六カ国協議の中で中国にゆだねたわけだ。アメリカはライスオンリーの戦略でやっている。グアムまで撤退する。今、岩国の基地がどんどん強化されている。では、グアムまで撤退するのは嘘かといえば、これはアメリカが求めているのではなく、防衛庁利権が絡んだ日本が希望しているという話もある。こんな日本は馬鹿にされないわけがない。これを洗いざらいするには、政権交代しかない。...

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