政経倶楽部【東京】第105回例会 9/5木(朝食会)

日時:2013年9月5日  開会:~ (開場:)
会場:ルポール麹町 東京都千代田区平河町2-4-3 TEL03-3265-5365 有楽町線「麹町駅」 1番出口より徒歩3分. 有楽町線・半蔵門線 「永田町駅」 5番出口より徒歩5分.
 

経営者のための”神話に学ぶやまとのこころ“

■講演 寺岡(てらおか)賢(まさる)氏  公益財団法人 修養団 講師

「経営者のための”神話に学ぶやまとのこころ“」



【寺岡氏プロフィール】

昭和48年(1973)、三重県生まれ。39歳。麗澤大学国際経済学部卒業。

不動産会社営業職を経て、家業の林業に従事。平成15年、財団法人修養団に奉職。現在、伊勢道場・伊勢青少年研修センターにてみがく講習会(旧称:伊勢講習会)をはじめとした各種研修会や青少年活動の指導にあたると共に各地での講演等にも、出講している。

※修養団=創立107年。日本における社会教育団体のパイオニア。

初代後援会長には渋沢栄一、歴代顧問に安岡正篤、松下幸之助らも名を連ねる。

現在は全国各地で青少年の野外キャンプなど様々な活動も行っている。



●ご縁ある方々

 本日の講演に先立ち政経倶楽部の資料を拝読していると、ご縁のある方々が多くたいへん驚いた。冊子「経営者のための近現代史入門」に登場している西鋭夫先生は麗澤大学時代の恩師だ。また「青年塾」の恩師の上甲晃先生のご指示で、野田佳彦氏、山田宏氏、中田宏氏に禊(みそぎ)の指導と伊勢神宮の案内をさせていただいたこともある。今日は、伊勢より大変楽しみに伺った。



●伊勢神宮が祀る天照大神さまは、皇室の祖先であり、私たちの祖先である

 伊勢神宮は、天照大神(アマテラスオオミカミ)さまをお祀りしている。

今の天皇は125代だが、初代の天皇は神武(じんむ)天皇だ。この神武天皇から5代さかのぼると天照大神さまにいきつく。つまり、天照大神さまは皇室のご祖先になるのである。

「先祖の血/みんな集めて/子は生まれ」

私たちには父母があり、父母には父母があり、20代さかのぼると100万人、27代さかのぼるとなんと1億人になる。つまり、私たちの祖先は皆が兄弟仲間であり、もとは皇室から枝分かれしてきた民だともいえる。

そこで日本人は、皇室を本家として国民はみんな分家である、だから日本人はひとつの家族なんだと考えてきた。

だから、皇室の祖先である天照大神さまは、私たち国民にとってもご先祖さまでもあるとして、天照大神を大切にしてきた。

この“自分は天照大神さまの子孫である”という誇りを、いまの子供たちに伝えていきたい。 

●古事記(こじき)のクライマックスは、天孫(てんそん)降臨(こうりん)(アマテラスの孫が地上に降りた)

 しかし残念ながら、現代において神話(しんわ)がなかなか伝わっていない。そこで今日は、まず古事記の心髄でもある天孫降臨(てんそんこうりん)についてお話したい。

 天孫降臨の「天孫」とは、天照大神さまの孫の瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)のことだ。つまり、天孫降臨とは、天照大神さまの命令で孫のニニギノミコトが地上に降りてきた、という意味だ。

その命令は、「この地上、豊葦原瑞穂(とよあしはらみずほ)の国をあなたが治めなさい。」というものだった。



●「徳で国を治めなさい(シラス)」~自分磨きの三種の神器(鏡と剣と勾玉)

ここで重要なのは、「まずは自分が立派な徳の高い人となり、徳によって人々を治めなさい」と命じたことだ。そして、天照大神さまは、孫のニニギノミコトに三種の神器(鏡と剣と勾玉)を授けた。鏡も剣も勾玉も、これらはすべて磨くもの。“自分磨きを忘れないよう”にとの思いからこれらを授けたのだ。

 慈愛の心で国を治めることを、古語では「シラス(知らす)」という。

対して、力で人を無理やり抑えこんでいくことは「ウシハク(領く)」という。

 世界のほとんどの国の歴史はウシハク、侵略の歴史だ。自分たちの正当性をうたうために前にいた人たちの歴史を悪く書きかえる。それが世界の常識だ。

 王室国家であるイギリス、オランダ、ベルギー、スペイン、中東国家の国々も国の成り立ちは皆、ウシハクだ。

 日本のように、“徳で世を治める”というのは、世界的には稀有なことなのだ。まさに、このシラスこそが日本古来の国柄であり、私たちの遺伝子にある思いであり、その大元が皇室なのである。

まずは自分が立派な人になり、日本を素晴らしい国にし、世界の見本になる。この、徳が広がっていくということを「八紘一宇(はっこういちう)」という。戦時中は間違った意味で使われたが、これが本来の意味だ。



●2月11日建国記念の日は、初代神武天皇即位の日

 このシラスの精神で地上に降り立たれたニニギノミコトの3代あとに、神倭伊波礼琵古命(カムヤマトイワレヒトノミコト)が出て、苦労に苦労を重ねた後に奈良の橿原(かしわら)の地で初代天皇として即位する。これが神武(じんむ)天皇だ。

神武天皇即位の日が昔の暦でいうところの1月1日。今の暦で2月11日。建国記念日である。

 今、日本の建国の日をどれだけの日本人が知っているだろうか。

アメリカで、7月4日独立記念日を知らない子供はいない。初代大統領ワシントンの名前は誰もが知っている。

日本人が神武天皇の名前も建国記念日の意味も知らず、子供たちに伝えられずにどうするのか。私たちは、きちんと学んで伝えていかねばならない。

神武天皇のあと第10代崇神(すじん)天皇のとき、国が乱れ、奈良にあった三種の神器のうち、鏡と剣が外に出され、全国を巡ったあとにたどり着いたのが伊勢の地だ。以来、天照大神は伊勢の地で祀られ平成8年に神宮は2000年を迎えた。

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