政経倶楽部【東京】第170回例会(朝食会) 2/7 木

日時:2019年2月7日  開会:~ (開場:)
会場:ルポール麹町 東京都千代田区平河町2-4-3 TEL03-3265-5365 有楽町線「麹町駅」 1番出口より徒歩3分. 有楽町線・半蔵門線 「永田町駅」 5番出口より徒歩5分.
 

BEYOND 2020 渋沢栄一の【論語と算盤】で未来を拓く

講演 渋澤 健(しぶさわ・けん)氏 (渋沢栄一玄孫・5代目子孫)
    コモンズ投信株式会社 会長
    シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役

「BEYOND 2020 渋沢栄一の【論語と算盤】で未来を拓く」


※『論語と算盤』とは、渋沢栄一の講演集(1916年、大正5年刊)。
「論語(道徳)と算盤(経済)という懸け離れたものを一致させることが大切」という渋沢栄一の教え。孔子が残した言葉『論語』を基に、人格を磨くこと、資本主義を用いて幸福になることの重要性が記されている。


●高祖父、渋沢栄一の思想に触れたのは40歳で起業した時

私は渋沢栄一の孫の孫にあたる。高祖父の名前や存在はもちろん知ってはいたが、7歳から大学卒業時までアメリカで生活し、帰国後社会人になってからも外資系勤務だったので、渋沢栄一の思想を知る機会はほとんどなかった。
だが40歳で独立するにあたり、「そういえばひいひいおじいさんは500社もの企業を創設したな」と調べ始めたら、それは過去の話ではなかった。未来の為に使える内容の宝庫だった。渋沢栄一の言葉には、常に未来志向がある。
今日は、渋沢栄一の思想を未来に生かすべくお話を皆さんとしていきたい。


●大谷翔平も読んでいる『論語と算盤』、栗山英樹監督「見えない未来を信じろ」

本題に入る前に一つ紹介したい話がある。
栗山英樹監督(北海道日本ハムファイターズ)は、入団2年目の選手たちに『論語と算盤』を手渡しているという。
決して易しい内容の本ではない。果たして選手全員が読んでいるかは定かではない。だが、大谷選手の「目標達成シート」のメンタルの項目には、なんと『論語と算盤を読む』と書かれていた。
栗山監督は昨年『育てる力』(宝島社・2018年刊)を上梓された。巻末には監督と私の対談もある。この本は、監督が『論語と算盤』を読み解いて、監督自身の言葉で45のメッセージを解説した名著だ。
中でも私が好きなのは、「見えない未来を信じろ」の章だ。ここで、監督は、大谷選手の「二刀流」について語っている。大谷選手の入団時は、プロ野球界では「二刀流」は常識外だと思われていた。しかし、栗山監督は「なぜ前例がないからといって否定するのか」と思い行動したのだ。
監督は、「枠」を設けることなく、見えない未来を信じて、才能抜群かつ熱量のある大谷選手に、育てる機会を与えた。その後の、大谷選手の活躍しかり。
もう一人、『論語と算盤』を読んでいる野球選手がいた。
昨年、中日ドラゴンズに入団した根尾昴選手だ。彼の愛読書リストの中に『論語と算盤』があった。その報道後、多くの書店では一時『論語と算盤』が品薄となったそうだ。多くの野球少年や親たちが『論語と算盤』を買ったのだろう。

『論語と算盤』は1916年(大正5年)に出版された渋沢栄一の講演集だ。現代語訳でもなかなか難しい内容だ。
そこで、易しく読み解ける本として、このたび重要項目を400字で要約した『あらすじ論語と算盤』を監修した(宝島新書・2019年2月刊)。
ご関心のある方はご一読いただきたい。

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