政経倶楽部【東京】第104回例会 8/1木(朝食会)

日時:2013年8月1日  開会:~ (開場:)
会場:ルポール麹町 東京都千代田区平河町2-4-3 TEL03-3265-5365 有楽町線「麹町駅」 1番出口より徒歩3分. 有楽町線・半蔵門線 「永田町駅」 5番出口より徒歩5分.
 

日本再生の処方箋

■講演 桜井(さくらい)充(みつる)氏  参議院議員 民主党政策調査会長
「日本再生の処方箋」

【プロフィール】1956年宮城県仙台市生まれ57歳。東京医科歯科大学医学部卒業後、東北大学大学院医学研究科博士課程修了。勤務医を経て、1998年、42歳のとき「病んだ日本を治療したい」の思いから参議院宮城県選挙区より立候補、24万以上の得票で当選。現在3期目。医療、介護、歯科医療、教育、金融、中小企業支援政策等、幅広い分野で活躍。財務副大臣、厚生労働副大臣等歴任。現在、厚生労働委員会委員、民主党政策調査会長。現在も、心療内科医として定期的に主に「ひきこもり」「拒食症」「過食症」その他心の悩みを抱えている患者、「アレルギー」の患者中心に診療を続けている。

本日は、「処方箋」ということで、日本の低迷した景気の根本的な問題がどこにあるのかをお話したい。また、良い企業の5条件についても最後に触れたい。

●20年で何が変わったのか~賃金が上がらなければ経済成長はない
 バブル絶頂期の20年前の1990年と2011年のデータを見ると、1人当たりの名目GDPは364万円から366万円でほとんど変わらない。つまり、この20年間経済成長を遂げていないということだ。消費者物価指数は94.5から99.7でわずかながら物価上昇した。しかし2005年を100としているので、最近は少しずつ物価は下落していた。消費者物価指数前年比は、90年は3%増だったが2011年は-0.283%で少しずつ物価が下落している。失業率は90年と比べると上がってきてはいるが世界的には低い水準だ。
問題は、物価が上昇している中、平均年収が425万円から421万円に下がってきているということだ。その一番の要因は賃金が上がらないことにある。ここを改善しない限り経済の再生はない。なぜならGDPの60%は個人消費だからだ。個人消費が伸びないと経済成長は遂げられない。

●年収階層別分布(構成比率)の推移~中間層が落ち込み、下流が急増
年収別層を6段階に分け、1990年代後半からの推移を見たデータがある。
【最貧困層=年収100万円未満、貧困層=100万~200万円、下流階層=200万~400万円、中流階層=400万~800万円、上流階層=800万~1500万円、富裕階層=1500万円以上】
近年、最も多くを占めていた中流階層が急激に落ち込み(約38%→32%)、下流階層が急激に増え、一番多くを占めるようになった(約33%→36%)。
最貧困層もじわじわ増えている(約8%弱→9%)。
 この状況では、経済が回らないのは当然だ。賃金をひきあげていく道筋を出していくことが大事だ。猛烈な勢いで増えている大企業の内部留保を中小企業に還元し、労働者に分配するようにしていかなければならない。

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