政経倶楽部【東京】第130回例会(朝食会) 10/1木

日時:2015年10月1日  開会:~ (開場:)
会場:ルポール麹町 東京都千代田区平河町2-4-3 TEL03-3265-5365 有楽町線「麹町駅」 1番出口より徒歩3分. 有楽町線・半蔵門線 「永田町駅」 5番出口より徒歩5分.
 

美しい心、日本の心

■講演 寺岡(てらおか)賢(まさる)氏  公益財団法人 修養団講師

「美しい心、日本の心」


【寺岡賢(てらおか・まさる)氏プロフィール】

昭和48(1973)年、三重県生まれ。41歳。麗澤大学国際経済学部卒業。
不動産会社営業職を経て、家業の林業に従事。平成15年、財団法人修養団に奉職。現在、伊勢道場・伊勢青少年研修センターにて「みがく講習会(旧称:伊勢講習会)」をはじめとした各種研修会や青少年活動の指導にあたると共に各地での講演等にも、出講している。
※修養団=創立109年。日本における社会教育団体のパイオニア的存在。
初代後援会長には渋沢栄一、歴代顧問に安岡正篤、松下幸之助らも名を連ねる。
現在は全国各地、海外等で青少年の野外キャンプなど様々な活動も行っている。


●「繁栄・安定・継続」を享受する日本。原点は、皇室、神社にある

世界中の企業が必ず求めるものが3つある。繁栄と安定と継続だ。これは、企業のみならず、家にも国家にも言える。そして、世界で最もこの3つを享受しているのは日本ではないかと思う。
まず、繁栄でみれば、日本は世界第3位の経済大国だ。安定で言えば、世界一の長寿国であり、犯罪発生率や囚人の数も低い。継続でみれば、創業100年を超える企業は2万9千社ほどもある。ちなみにアメリカでは約4000社だそうだ。さらに200年企業は世界で7000社ある内の5000社が日本企業だ。そして、世界最古の企業、創業、西暦578年(飛鳥時代)の金剛組(大阪)もある。
そもそも、我が国が建国2675年の世界最古の国である。
これは、私たちが継続という点において、非常に卓越した思いを持つ民族であると言える。さらに言えば、そこに繁栄、安定、継続する原理、原則とも呼べる自然の法則を知っているのではないかと思う。
そしてこの感覚を、ごく当たり前に、日本の多くの中小企業の経営者の皆さんは持っており、その原点はどこに求めるのかといえば、それが、皇室や伊勢神宮にあると言える。


●神話を忘れた民族は必ず滅びる

講演で、ある教育関係者向けに、神話を話した時、こう言われた。
「いまどき神話なんて、非科学的な話は困る」と。私は反論した。
「世界中、どこに科学的な神話があるのですか?」と。
キリストは処女懐胎で生まれ、お釈迦様は脇の下から生まれているではないか。科学的な神話などどこにもない。
神話がなぜ大事かといえば、我々の祖先が何を恐れ、何を大切にして祀ってきたのか、その尊い祈りの息づいているのが神話だからだ。
「神話を忘れた民族は必ず滅びる」というイスラエルの言い伝えがある。
ユダヤの民族は、2000年に渡って国がなかった。ゆえにユダヤの民であることの拠り所は神話をおいてほかになかった。今、国家はあっても、神話を忘れかけている民族がここにあるのではないか。
私たちは、もう一度原点に立ち返り、国の原点を大事にしなければならない。


●「こんな素晴らしい日本人がいた」。偉人教育で、子供に日本の原点を伝える

国の原点を大事にするにあたり、重要なのは教育だ。次の世代をいかに育んでいくのか、が最も大事なことだ。では、実際に、子どもたちに何をどう伝えていくかという時に、偉人の教育がたいへん有効だ。もちろん、教育勅語の復活も大事なのだが、いきなりではアレルギーが出る。偉人伝であれば非常にわかりやすい。「こんな素晴らしい日本人がいたんだ」と感動を素直に伝えられる。
例えば、佐久間勉艦長(1879¬-1910・海軍大尉・30歳で没)。日露戦争後の話だ。佐久間艦長の潜水艦が山口県沖で訓練中に沈没したが、引き揚げられた船内の様子から、誰一人持ち場を離れることなく、自分の仕事を全うして殉じたことが伺われたという。一般的に多くの国では、沈没などという時は、皆、船の出口に殺到して、喉をかきむしったり、我先にと争った形跡などがあり、遺体の状態も激しいのが常だという。引き揚げられた佐久間艦長の潜水艦の船内に入った司令官は、乗組員の立派な最期の姿に号泣し、待機していた遺族を招き入れたという。
この逸話に見られる日本人の公に殉じる精神は、東日本大震災で、持ち場を離れることなく勤めを果たした消防団や、最後まで放送を呼びかけた女性に受け継がれている。
素晴らしいことを為し遂げた先人の話を、子供たちに伝えていきたい。


●戦後、「宗教、道徳、歴史」を忘れ、日本人の精神は骨抜きになった

戦後、アメリカが日本人の精神を骨抜きにするために、日本の教育の中から、3つのものを抜き去った。宗教と道徳と歴史だ。
私は、この話を上甲晃先生から教えていただいた。上甲先生は、恩師である京都大学の会田雄次先生から聴かれたそうだ。
まず、宗教。人知を超えた大いなるものに対して畏敬の念を払うことは、人として大事なことだ。アメリカは、それを教えることを禁じた。

「お天道様が見ているよ」「お盆だからお墓参りにいこう」「ご飯は神様に感謝してからいただこう」等々、家庭において、ごく自然に育まれていた宗教心が薄められた。今、小学校で「いただきます」を言わないところが増えている。
「ブラジルやフィリピンなど外国からの子供もたくさんいるのだから、日本の価値観を押し付けてはいけない」と、真正直に思っている先生たちがいるのだ。そんなばかなことがあっていいのか、と思う方が多いと思うが、これが三代続けば、しないのが当たり前になる。
 二つ目は、道徳。「人はこう生きるべきである」、「こういうことはしてならない」など、人としての道を教えないでどうなるのか。安倍内閣は、真の教育を復活しようと一所懸命だが、相変わらず反対する人々も多い。安倍首相は、戦後の歴代内閣で初めて、2月11日の建国記念日をお祝いしようと素晴らしいことを言った。これを右傾化と報じる新聞がある。「国家の誕生日を祝えないほうがおかしい」と菅官房長官は見事に反論していた。
三つ目は、歴史。近代史は歪められて教えられ、建国の歴史は教えられることすらない。
宗教心、道徳、歴史を知らなければ、人として大事な根っこが育たない。
今や、親子間の虐待や殺人事件ニュースが、日常茶飯になってしまった。
戦後、失ったこの3つを大事にしていけば、子供たちの教育はきちっとしていくと思う。

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