政経倶楽部【東京】第147回例会(朝食会) 3/2 木
日時:2017年3月2日 開会:~ (開場:)会場:ルポール麹町 東京都千代田区平河町2-4-3 TEL03-3265-5365 有楽町線「麹町駅」 1番出口より徒歩3分. 有楽町線・半蔵門線 「永田町駅」 5番出口より徒歩5分.
「必成(ひっせい)」と「望成(ぼうせい)」~自衛隊『特殊部隊』創設者の本懐(ほんかい)~
■伊藤 祐靖(すけやす)氏 自衛隊「特殊部隊」創設者・元海上自衛隊2等海佐
「必成(ひっせい)」と「望成(ぼうせい)」~自衛隊『特殊部隊』創設者の本懐(ほんかい)~
【プロフィール】
昭和39(1964)年東京都出身、茨城県育ち。日本体育大学から自衛隊へ。
防衛大学校指導教官、「たちかぜ」砲術長を経て、「みょうこう」航海長在任中の1999年に能登半島沖不審船事件を体験。これを機に、自衛隊初の特殊部隊である海上自衛隊の「特別警備隊」の創設に関わる。初代先任小隊長(現場突入部隊指揮官)として約8年勤務。42歳の時、2等海佐で退官。以後、ミンダナオ島に拠点を移し、日本を含む各国警察、軍隊に指導を行う。
現在は、日本の警備会社等のアドバイザーを務め、私塾では、現役自衛官らに自らの知識、技術、経験を伝えている。「予備役ブルーリボンの会」幹事長。
著書に、『とっさのときにすぐ護れる 女性のための護身術』講談社
『国のために死ねるか~自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動』文春新書
『自衛隊幻想~拉致問題から考える安全保障と憲法改正』産経新聞出版(共著)
●必成と望成
必成と望成、これは軍事用語ですが必成と望成の違いは次の通りとなります。
必成目標とは、“必ず達成しなければいけない目標”。不可条件はなし。目標はただ一つ。自分の命と引き換えにしても得るべきものであり、自衛隊でいえば、部隊全滅してでも達成しなければならない任務のことです。
望成目標は、“可能であれば達成すべき目標”。目標は複数あってかまわないが、優先順位と、戦闘損耗限度(失うものが規定範囲内であればやる)が不可条件として必要です。そうでなければ、現場が迷うからです。
なぜ今日これを政経倶楽部でお話するのか。それは、皆様が掲げられている理念(共生文明の創造・高徳国家の建設・公益経済の確立)にかかっています。
よく「軍隊、自衛隊において命令は絶対だ」と言う人がいます。しかし、私はまったくそう思っていません。行くか行かないかは、自分で決めるものだと思っています。
私は部下に決めさせています。「俺が行けと言っても嫌なら断れ」と言っていたし、「疑問があれば、なんで? と聞け」とも言っていた。しかし、彼等は絶対に私の命令を拒否することはありません。なぜなら、彼らが自分の命と引き換えにしてでも価値があると思う命令しか私がしないことを知っているからです。その信頼関係があるので、彼等は断らない。そこが納得いかないオーダーであれば、私が拒否することを知っているからです。
これが命令というものだと思っています。では、我々はどんな命令であれば「はいわかりました」というのか。それは憲法でもなく自衛隊法でもなく、「国家理念」なのです。国家が目指しているもののためであれば、生きて帰って来られない命令であっても二つ返事で受けるのです。では、その国家理念とは? 明確にはされていませんが、私は皆様が掲げている理念に非常に近いと思っています。
今日は、この理念を掲げている皆様に、私の思いを語らせていただきたい。
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